黄泉の本屋さん
「ですが、そうですね。亜紀さんのところへ行きましょう。今の様子を見守るくらいならできるでしょうから。黒瀬さん、それでいいですか?」
「・・・はい。姿が、一目見れるだけでも!」
「はい。では、亜紀さんの居場所を今暁に調べてもらっているので。お待ちください」
穏やかに笑う浅葱を見上げる。
頼もしい・・・。
これが、浅葱の仕事なんだ。
未練を晴らす手伝いをする。
なんだか、素敵だと思った。
とても、素敵な仕事だ。
「では、行きましょうか」
浅葱がそう言うと、私の手を取りにっこりと笑った。
私は頷いて瞳を閉じる。
黒瀬さんの心が少しでも、晴れますように。