黄泉の本屋さん
「はい、飲んでください」
「やだ」
「やだって、飲まなくちゃ元気になりませんよ」
「元気だもん」
「だもんって・・・」
可愛すぎるでしょう。
あなた、何歳ですか。
可愛すぎるんですけど。
私は、スプーンに薬を乗せると浅葱に差し出す。
「ほら、あ―ん」
「やだ」
頑なな浅葱は、固く口を閉ざして顔を反らした。
この、頑固者め!
「子どもじゃないんだから、これくらい飲んでください!」
「いらない。僕は大人なので、薬がなくても元気になれます」
「それ、大人とか子供とか関係ないから。病気の時は大人でも薬の力は必要なの!」
私がそう言っても、浅葱は今度は体ごと背を向ける始末。
ここまでとは・・・。