黄泉の本屋さん
恋の“こ”の字
浅葱の体調も良くなり、日常に戻った。
私は店番をして浅葱たちもそれぞれの仕事をしている。
ドタドタドタッ!!
奥から大きな音が聞こえる。
もしかしてまた浅葱!?
「浅葱っ!」
慌てて飛び込むと、そこは大変な状態になっていた。
・・・え。
音が聞こえてきたのは台所で。
見ると、床に散らばるボールや鍋、そしてその中に立ちすくむ浅葱の姿。
これは、どういう状態?
「あ、浅葱?」
「あ、あの・・・、すみません」
浅葱が困ったように手を後頭部に当て苦笑する。