めんどくさがり系女子の恋愛事情
キーンコーンカーンコーン…ー
タイミングよくチャイムが鳴る。
「…お昼のときに、詳しく聞かせてもらうから。」
そう言い残して桃は自分の席へ戻っていった。
…結局聞かれんのかよ…めんどくさい。
まぁ、心配かけたのは事実だし、今回は桃の気がすむまで付き合うとするかー。
なんてぼーっとしてる間にどうやらホームルームが始まったようだ。
「いいか、お前ら!
今週末にはいよいよ体育祭がある!
このクラスになって初めての行事だ!
優勝に向けて気合い入れていくぞ!」
…担任の先生は若くて熱血でとてつもなくめんどくさい。
何の青春ドラマを観て育ったらこんなに熱くなれるんだ…?と思うほど。
それに対し、私は去年の体育祭は仮病を使って休んだ。
なぜなら学校の行事はめんどくさいランキングトップ10に入るからだ。
わざわざ色をわけて競い会う意味がわからない。
もちろん今年も不参加の予定だ。
しかし、どんな理由で休もうか考えていたが
「これは全員参加だからな!
休んだら課題増やすぞ!」
という地獄の言葉を聞いた瞬間、目の前が真っ暗になった。
嘘だろ…休んだほうがめんどくさいじゃん…。
「それじゃ今から種目決めするぞー
学級委員、よろしく!」
前に出た学級委員の話を聞いてると、少なくとも1人2つの種目に出なければいけないらしい。
リレーとか責任の重いやつは避けたいから50m走と玉入れが妥当だろう。
2つとも午前中にあるから、午後は帰ればいい。
自慢じゃないが足は速いほうだ。
が、体育では本気で走ったことがない。
だからこの事実を知ってる人はクラスで桃しかいない。
彼女が何も言わなければ今年の体育祭は安全だ。
…しかし悲しいことにそうはいかなかった。