めんどくさがり系女子の恋愛事情



「先生!」


教卓の前に座る桃が勢いよく手を挙げた。


…嫌な予感しかしない。


普段大勢の前で発言することのない桃。


まさか…


「リレーとか走る系の種目は全部夏美にやらせたらいいと思いまーす!!」


「ちょっ…」


ちょっと待てー!!

それは言わない約束だろー!!

なんでここで言うかな!?

これ絶対めんどくさいことになるじゃん!


こんな私の心の叫びは届かず

桃の言葉に瞳を輝かせる担任。


「それは本当か、宮田!

よし、じゃあ50m走、100m走、クラス対抗リレー、色別対抗リレーは青山にまかせよう!」



…最っ悪だ。

本人の了承なしに決まっちゃったよ。

普通本人に聞くでしょ、これでいいか?とか。

あー黒板に名前書かれちゃったよ、もう取り消せないじゃん。

嘘だろ…。



恨みを込めてじーっと桃の背中を睨み付けると、それに気づいたのか後ろを振り返ってきた。

(私の席は窓際の一番後ろのため)



口パクで何か言ってるようだ。



…さ、つ、き、の、お、か、え、し…




さっきのお返し!?

え、まさか言わなかったことまだ根に持ってたの!?


それをここで返してくるとは…後で覚えてろよ!(ついつい口が悪くなる青山さん。)






「なんだか大変なことになっちゃったね。」


桃のお返しに頭がいっぱいだった私に声をかけてきたのは



「あ、高野くん…。」



昨日のさわやかイケメンくんでした。




< 11 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop