めんどくさがり系女子の恋愛事情



その後の競技も1位と2位はほとんど赤組が占めた。

私も100mはなんとか1位をもぎ取り、午前中の時点で私たちのクラスはトップを独走していた。

お弁当を食べている間、このままいけば優勝間違いない!とみんなで盛り上がっていた。



お昼休憩をはさみ、もう少しで午後の部が始まろうとしていた。


「桃、私ちょっとトイレ行ってくるね。」


「え、今!?

もう少しで始まるよ!」


「クラス対抗リレーまでは時間あるでしょ?」


「まぁ、そうだけどさー」


「大丈夫、すぐ戻るから。」


まだ不服そうな桃を置いて、私は一人トイレに向かった。

今思えばこのとき、一緒についてきてもらえばよかった。

そう思わざるをえない出来事が起こってしまった。






トイレをすませ、鏡の前でポニーテールにしていた髪を整える。

こうすると気合を入れられるのだ。

ここまできたらリレーで1位をとって、優勝したい。

…みんなの笑顔が見たい。


よし、とつぶやき、応援席へ戻ろうとしたそのとき


「ちょっと待ちなさいよ。」


…めんどくさい女が表れた。




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