めんどくさがり系女子の恋愛事情
ふと現実逃避から戻ると、なにやら取り巻きの2人と話し合っていた。
「ねえ明美、こいつに何言っても無駄じゃない?」
「そうよ!だって『お人形さん』だし!」
あ、この人の名前、明美っていうんだ。
しかも、自分の知らないところで変なあだ名がつけられていたとは恐ろしい、と感心していると
「そうね、『お人形さん』には感情がないもの。
少し痛い目にあっても平気よね?」
おいおいおい…私、生身の人間ですけど、
あと人形も乱暴にされたら痛いと思うよ、
と心の中で反論してみても目の前の3人に聞こえるはずがない。
明美とかいう人の右手が上がり
あー、ぶたれるんだなと自分のことなのに客観的に考えていた。
そして、めんどくさいと諦めて目を閉じた。