めんどくさがり系女子の恋愛事情
「あー夏美の初恋かー
なんか私、娘を見守るお母さんみたい!」
「…恥ずかしいな。
でもたしかに今の桃は私のお母さんだな。」
「えー何それ!(笑)
いつもの私は何なの?(笑)」
「んー、妹かな(笑)」
いつも通りの私たちの会話。
桃の機嫌もすっかり直ったようだ。
よかった。
「で、今後はどうするの?
高野くんに告白する?」
「え、それはまだ…。」
「もう!
高野くんてサッカー部のエースだし、勉強できるし、イケメンだし
超モテるんだからね!?
いくら夏美がかわいいからって、何もしないと誰かに取られるよ!」
「いや、私はかわいくないけども。
でも高野くんはそんなにモテるのか…。」
「そうそう!
だから先手必勝!
告白しちゃえ~!」
「……考えとく。」
そんなこんなで話を終えた私たちのもとにタイミングよく医師が来た。
…どうやら外で待っていたらしい。
「話は済んだかな?」
「あ…すみません。
お待たせしてしまって。」
「いや、かまわないよ。
いいお友達を持ったね。
さて、ケガの具合を見たいから君は外で待っててもらえるかな?」
「はい、わかりました。
…じゃあ、私帰るね。
結構な時間だし、今日は体育祭で疲れたし!
夏美は早くケガ治してね!バイバイ!」
そう言うと病室を出て行ってしまった。
「病院では走らないでくださーい」っていう声が聞こえるから、きっと桃が注意されたんだな。
まったく…。
私のケガは全治2週間といったところだろうか。
幸い、骨に異常はなく、ほとんどが打撲で済んだ。
肩も外れていなかったので普段の生活には支障がなさそうだ。
ただ今日は大事をとって入院することになった。
退院は明日。
こうして波乱の体育祭が幕を閉じた。