めんどくさがり系女子の恋愛事情
4 桃華side
夏美の病室を飛び出した私は
「病院では走らないでくださーい」という看護師さんの声を無視して全力で走っていた。
よかった、夏美の前で泣かなくて。
この涙は誰にも見せてはいけない涙だから…。
…夏美、とうとう好きな人できちゃったな。
今までそんなことなかったから、油断してた。
この私の気持ちは、どこへ向かえばいいのだろう。
どこへ吐き出せばいいのだろう。
中途半端に浮かんだままの
私の身勝手な恋心。
そう、私 宮田桃華は
青山夏美のことが好きなのだ。
友達としてという意味ではなく、
…恋愛感情で。
誰にも、もちろん夏美にも言ったことはない
私の本音。ーーーーー