めんどくさがり系女子の恋愛事情
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家に帰ると私は2階の自分の部屋に直行した。
昨日は携帯を充電することができなかったから、電源が切れてしまったのだ。
それに桃から退院したら一番に報告するように言われてた。
彼女の言いつけを守らないと後が怖い。
急いで充電器に差し込み、電源を入れる。
この時間さえ惜しいと思うほど、桃からの圧力は恐ろしいのだ。
さっそくメールを送ると1分以内に返ってきた。
『退院おめでと』という言葉だけ。
…はやっ。
携帯握りしめてたのか…?
すでにメールを作成していたのか…?
何にせよ早すぎる…。
というか、他に言うことは…?
まぁ、ひとまずミッション1はクリア。
ふぅ、と軽くため息をついた。
その次は病室に来てくれた3人に退院したことを報告することだ。
昨日見舞いにきてくれたのに、あまり話せなかったから、きっと今日退院することを知らないだろうし
心配かけただろうから、謝りたかった。
とくに高野くんには私のわがままを聞いてもらったので、そのことについてお礼を言いたいとずっと思っていた。
その後古賀と杏ちゃんには悩まずすぐに送れたが、
数十分悩んでも、高野くんへのメールが思いつかなかった。
1度好きだと自分で認めてしまうと、思うように行動ができない。
顔を合わせてない状態でこれなのに…
学校に行ったらどうなってしまうんだろう…
悶々と考えながら打ち、ようやく送れたメール。
あとは高野くんが見るだけ。
…願わくば、返信がほしいけど。
ふと時計を見ると2時間もかかっていた。
…これは恋したことの代償なのか。
自分では制御できない恋心は私を苦しめる。
でもいつもならめんどくさいと言って避けるけど
今日は全くそう思わなかった。
むしろたまにはこういうめんどくさいこともいいかなと思っているほどだ。
…そうは言っても、さすがに長時間携帯とにらめっこするのは疲れたな…
慣れないことはするもじゃない…。
と思い、ベッドに寝転がると
私はすぐに夢の中へとおちていった。