めんどくさがり系女子の恋愛事情
ゆっくり目を開けると、見慣れた天井が視界に入ってきた。
どのくらい寝ていたのか確認すると、1時間ほどしかたっていなかった。
あんな夢を見たのに、思ったより時計の針は進んでいないようだ。
今見ていたのは夢のはずなのに、やけにリアルだった。
夢に出てきた人…
あの人は紛れもなく、私の母親だった。
久しぶりに見た母さんの顔。
もうこの世にはいない、私の大切な人。
夢の中の母さんが言っていたように、
私が母さんを殺したようなもんだ。
きっと憎まれているんだろうな。
私の幸せなど、願ってはいないんだろうな。
そう思うと、私が今高野くんを好きでいることが罪であるように感じてしまった。
桃が気づかせてくれた感情。
初めて人を好きになれたけれど…
でもこれは私が開けてはならない
パンドラの箱。
今ここでこの気持ちとサヨナラしなくちゃいけないのだろう。
桃、ごめんね。
せっかくだけど、私には無理みたいだ。
高野くんへの気持ちは胸にしまって、
明日から今まで通りのめんどくさがりな私に戻るよ。
高野くん、好きです。
好き…でした。
私の目から涙が一粒溢れ、
頬を伝っていった。