めんどくさがり系女子の恋愛事情


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1日をどう過ごしたのか全く思い出せない。



気がついたらベッドにダイブしていた。



何の授業受けたっけ?


誰かと話したっけ?


学校からどうやって歩いてきたっけ?


夕飯食べたっけ?




…何もかもわかんないや。


それほど、桃の言葉は衝撃的だった。


ケガはまだ治ってないのに、今度は心が折れそうだ。




それもそのはず。


友達だと思ってた人に、友達じゃないと言われて


傷つかない人なんていないだろう。




これが夢だったらいいのに。


目が覚めたら、いつものように桃と笑い合えてたらいいのに。




そう思いながら頬をつねってみたけど


「イテッ…」




辛い現実を突きつけられただけだった。





どうしてこうなってしまったんだろう?


私がいけなかったのか?




もう2度と大切な人を失いたくなかったのに、


こんなにも簡単に2人の関係が崩れてしまうなんて。



…いや、もともと桃との間に関係なんてなかったのかもしれない。



私が勝手に一人で友達だと思っていただけで



一方通行の思いが桃にとっては重荷だったのかもしれないな。



もしそうだとしたら…





ネガティブな考えが続いていく。



そんなことをしてる間に1日が過ぎた。





学校では話し相手がいなくなり


家でも話す気力をなくしていった。


隣の席の高野くんとかリレーで一緒だった古賀とか杏ちゃんとか


きっと話しかけてくれたんだろうけど、まともに話せる精神状態じゃなかった。





もちろん桃とは話すことはできなかった。


視線さえ交わることはなかった。





あの言葉が本当なのか。



しつこいかもしれないけど


本人からどうしても聞きたかった。



その反面、もう傷つくのは嫌で、怖くて


話しかけに行けなかった。



次に桃の口から

「友達じゃない」という言葉が出てきたら



私の心は完全に折れるだろう。







話したいのに話せない、そんなもどかしい状況のまま



1週間が過ぎていった。









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