めんどくさがり系女子の恋愛事情
「永人さん、お世話になりました。」
頭を下げようとする私を止める永人さん。
…どうやら私の行動はバレバレのようだ。
「もう頭を下げないで。
僕がしたかっただけだから。
また何かあったらおいでよ。
…今度は、ちゃんとご家族に連絡してからね。」
「うっ…はい。」
痛いところをついてくるな…。
でも永人さんがまたおいでと言ってくれたことが嬉しい。
近いうちにここに来よう。
「また来ますね!
永人さん、お元気で!」
「夏美ちゃんもね。
ちゃんと自分の気持ちを正直に伝えるんだよ。」
「はい!」
私は珍しく満面の笑みで頷いた。
そのときちょうど電車が来たようだ。
私は永人さんに手を振ってから電車に飛び乗った。
決意と希望を胸に。
夏美がいなくなったあと、永人は電車を見送っていた。
彼女をのせて走る電車を見つめながら、一人呟いた。
「夏美…頑張れよ。」
その頬には静かに涙が流れた。