めんどくさがり系女子の恋愛事情



気まずい空気のまま、私たちは帰ることにした。


何を話したのか、どうやって帰ったのか、わからないほど私は放心状態だった。




でもその夜、さらに衝撃的な事実を聞かされた。


驚きと同時に後悔もうまれた。



どうしてあのとき、追いかけて彼女を捕まえなかったんだろう。



どうして本当のことを言わなかったんだろう…




その知らせがきたのは、夕飯を食べ終えて部屋でボーッとしてるときだった。



ーーーーー




プルルルルル…


珍しく私のケータイの着信音が聞こえた。


電話なんて滅多にかかってこないから不思議に思って、画面に表示された名前を見てみると



「拓也さん…?」




夏美のお兄さんからだった。



中学のときに、夏美の家へ何度か遊び行ったことがあった。



そのときに連絡先を交換したけど、



普段連絡を取り合うほどの中ではないし、電話だしということで



柄にもなく緊張しながら通話ボタンを押した。





「は、はい、もしもし…。」



『あ、桃華ちゃん?久しぶりー』



「お久しぶりで『いきなりなんだけどさ、』…はい。」





どうやら私の挨拶を聞いていられないほど、切羽詰まってるみたいだ。


声も心なしか焦ってるように感じる。


もしかして夏美に何かあったんじゃ…?




こういうときの私の勘は当たってしまう。


















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