めんどくさがり系女子の恋愛事情



そんなに長い間、帰らなかったわけでもないのに

地元の駅についた途端、何とも言えない懐かしさを感じた。

やっぱり地元は落ち着く。



電車を降り、改札を抜けるとそこには


「「夏美っ!!」」



「…っ。」



汗だくな拓也と桃の姿があった。


なんでここにいるの?


今日は学校じゃ…。


その理由は聞く前に2人によって答えられてしまった。


「どうしてここにいるのかって顔してるね。


決まってるじゃん、夏美のこと

探してたの。」



「妹と学校、どっちが大事だと思う?


…妹に決まってるだろ」



2人の言葉に不覚にも涙がこみ上げてきた。


こんなに汗だくになるまで私のことを探していたのか。


学校まで休んで…本当にバカな2人だ。



「心配かけてごめん。

…探してくれてありがとう。」



私は精一杯の気持ちを込めて、頭を下げた。


2人は驚いたようで必死に頭をあげさせようとした。


でも私は頑なに上げようとしなかった。


…今2人の顔を見てしまうと


涙がこぼれてしまいそうだったから。




もう大丈夫だろうと思い、顔を上げると2人はホッとしたような表情をした。


その次の瞬間、


私はギュッと誰かに抱きつかれた。



「え?」



桃の驚いた顔が見えるということは…


「ちょっと、何してんの。」



犯人は拓也だった。











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