めんどくさがり系女子の恋愛事情



感動の握手をしたところで、私はふと思い出したことがある。


あれはいったい何だったのか…


桃に聞いてみるか。



「あのさ、桃。


今さらだけど、高野くんと2人で何話してたの?」



そう、この事があったから、私は誰にも言わずに旅に出たといっても過言ではない。


私は桃と高野くんがお互い好き好き言い合ってるのを、この耳で聞いたのだ。



でもそうじゃないとすると…?



「あー…」



言葉を濁す桃。


2人の仲を疑うつもりもないし、


私にはできない秘密の話だってあるだろうと思う。


それでも不安は拭いきれなくて


ついついネガティブな方向に考えてしまう。



「…高野くんはやっぱ桃のこと、好きなのかな。」


心の中でつぶやいたつもりだったが、どうやら口にしていたようだ。


この言葉に桃はすぐ反応した。



「違う!


それだけはないっ!!


断じてないっ!!」




「お、おう…。」



桃の勢いにおされまくりな私。


素直に頷いてしまった。


というか、桃


この近距離で叫ぶなと何度言ったら…




「詳しくは言えないけど、


高野くんが私のこと好きっていうのは違うから。


それだけは信じてほしい。」




「…わかった。


桃がそこまで言うなら信じる。」




だって、こんな表情でうったえてくる人が


ウソをつくはずないでしょ?



それに…



「私は友達至上主義なの。


桃のことは全面的に信用してる。」



友達を第一に考えてるから、友達至上主義。


そう言うと、照れ臭そうに桃は笑った。




一段落ついたとき、遠くで5時を知らせるチャイムが鳴った。



いったい何時間話していたのか…



考えるだけで恐ろしい。



私たちは顔を見合わせ



「「帰ろっか。」」



と口をそろえて言った。









私と桃は今日から新たに始まった。


今までよりも、私たちは友達に


親友になれると思う。




これからもよろしくね、桃。














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