し・か・え・し
こんな日に一人は寂しい
片っ端から友人に電話をかけた。
「恵子暇してない?」
「今日はまだ仕事中」
恵子はアパレルの仕事をしている。
今週末までに納品する服が
まだ出来上がってないそうで
ずっと残業らしい。
恵子はダメか。
次は・・・とかけるが
みんな空いてないか。
そうだ!健斗
「おう!美里どうした?」
「暇してない?」
「掛ける相手間違ってないか?」
「えっ?ちゃんと健斗にかけたけど?」
「そうか?ならいいけど
どうした?」
「暇してない?」
「暇じゃねーな」
「そっか・・・ならいいや」
自分から掛けておきながら
勝手に切った。
するとすぐに折り返し電話を
掛けてきて『何だよぉ!切んなよ』
と文句を言う。
「暇じゃないなら次の人を
誘おうかと思ってさ」
「それって男?」
「・・・なわけ!」
「お前は遊び人か?」
「だって!超嫌なことがあったから
飲みたいのに一人じゃつまんないから」
「もぉー!いまどこ?」
「家」
「はぁ?家に帰ってるなら
そのまま一人で飲んで寝ろ!」
「ひどーい!
もう健斗にはかけないから!」
「おっ!そうだ!ちょい待てよ」
何か携帯を操作して
「090-5×××-××31に
かけてみろ!そいつなら
相手してくれるかも」
「誰?それ!」
「いいからそこにかけてみろ」
「誰かわかんないのに
掛けるわけないじゃん!
嫌なことがあってまた
それに追い討ち掛けるなんて・・・
健斗は最低な人
掛けなきゃよかったわ・・・」
「もー!!!
迎えに行ってやるから出てこい」
健斗は『もー!仕方ないなぁ』と
めんどくさそうに言った。