し・か・え・し


『やっぱり告白だっただろ?
そーだと思った!』


『モテるねぇ~健斗!
無理ならデートだってよ』


『どーするわけ?』


『いいねぇ~相手がどうあれ
好きだって言われるのは
気分いいんじゃない?』


『付き合ってあげれば?
何でも言うこと聞いてくれそうじゃん』


好き勝手に盛り上がる神野くんの友人たち。


『黙れ!』


ざわつくところに神野くんの怒鳴り声が
響き渡った。


友人たちを怒って止めたってことは
少しは期待していいの?


なんてそんな思いは一瞬の内だった。


『オレが?石川と?
アハハ~無いわぁ~』


・・・・・・無いわぁ~・・・・・・


ただでさえ 友人たちに
バカにされてるのに
それに輪をかけ
本人から『無いわぁ~』って。


でも
それだけでは終わらなかったのだ。


『無いわぁ~って可哀想じゃん
デートくらいしてやれば?』


『そんなに言うなら
一馬がしてやれば?』


あたしが神野くんを好きって言っているのに
本人からまさかの言葉。


『いやいや・・・オレはいいわ
遠慮します!』


『だろ?相手が相手だけにな~
そりゃー 岡田さんクラスならさ
【よろこんで!】って返事するけど
石川だもんな・・・』


『アハハ~それな!』


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