し・か・え・し


「先生になるって言ってたよね?
どこの?」


「先生とか言うけど学校じゃなくて
塾の講師なんだ」


「すごいよなぁ~尊敬するわ」


「お医者様になる人に尊敬するわって
言われてもねぇ~パットしないな」


「あっ・・・オレはね
検査技師だからCTとかMRIとか
撮影する方だからね
美里ちゃんが何かあったら
隅の隅まで写してあげるよ」


「いやらしい・・・
絶対健斗くんの居る病院には行かない!」


「なんでぇ~?そうとるかな?
美里ちゃんって面白いねぇ~」


カクテル一杯開けると追加を勝手に頼まれて
今度はオレンジ色のカクテルが運ばれてきた。


「あたし2杯が限度だから」


「超えたら?」


「いっぱい愚痴って
その後は寝る!」


「めっちゃ嫌なやつじゃん」


「そんなことより~
さっきの彼女可愛かったね」


「あいつの話しないでくれる?」


「そんな嫌そうな態度しちゃって
本当はまだ思ってるくせに
あの人の前であたしの手を
ぎゅっと握ったのが
何よりの証拠でしょ?」


「今日始めて会ったのに
わかったようなことを
言わないでくれるかな?」


今まで陽気だった神野くんが一転した。


マズッた?


「ごめん・・・」


それでも黙ったままビールを一気に飲み干して 今度は芋焼酎を注文した。


「ごめんね
ちょっと調子に乗りすぎちゃった」


もう一度謝った。


なんだか今日は謝る日なの?と言うくらい
合コンのときといい 今といい
謝ってる。









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