し・か・え・し
それでも黙ったままの神野くんに
場が持てなくなったあたしは
「アハハ 雰囲気壊しちゃった
さぁ帰ろうかな?これあたしのぶん」
と適当に計算し2000円テーブルに置いた。
「このお金は何?
奢るって言ったよね?
それにまだ食べてる途中じゃん」
そうは言っても
食べ物が喉を通りませんけど。。。
「なんか怒らせちゃったみたいだし
もう遅い時間だし帰らないと」
「実はね 麻奈美は
オレのツレと付き合い始めたんだ」
お酒を飲みながらボソボソと話始めた。
就活が始まった頃から二人は
会えない日々にギクシャクしてて
気づいたら優しく手を差しのべた
友達に取られたってことらしい。
「何それ!一番最悪なパターンじゃん!」
「だろ 隠れてコソコソしてたってこと!」
「そんな女 早く忘れちゃいなよ」
「もう 何とも思ってねーよ
別れるときめっちゃ嫌みとか
言ったからね
そうしたら『今までありがとうございました』
って深々と頭を下げやがって
バカにしてんのか!?と思ったよ」
だからか・・・合コンの場所で
あたしが謝ったとき怒ったんだね。
結局神野くんは話ながら
たくさんのお酒を飲んで眠る寸前。