し・か・え・し
「えっ?」
目覚めた神野くんの第一声はそれだった。
「あ・・・おはよう」
「どうして一緒にいるの?
それに ここはどこ?」
ホントに覚えてないんだ・・・。
「ビジホ」
「はぁ?なんで?」
「何でとか言って欲しくないね
健斗くん酔っぱらっちゃって
大変だったんだから!
居酒屋の会計もあたし!
タクシー代もあたし!
タクシーに乗せて帰らそうと思ったら
健斗くんの家がわかんないから
拒否られるし」
「どーやってここへ?」
「ホントに覚えてないのね
タクシーの運転手さんが
あたしが可哀想だからって
ここへ運んでくれたんだよ」
「そっか・・・」
と その場に座るとパンツだけの状態に
驚き 「まさかだと思うけど・・・
オレたちしちゃった?」と聞いた。
あたしのシナリオ通り。。。
「お・覚えてないの?
嘘でしょ?」
名演技のあたし。
「マジ???嘘だろ」
「信じらんない!
あたしを襲っておいて!」
「襲った?オレが?」
「それ!どー言うこと?
あたしが嘘ついてるとでも?」
「仮にやってたとして
それは同意の上じゃないの?」
「やめてよね!
酔ってる男の力に敵うわけないじゃん
最後はもう抵抗しなかったけど
それにさ 何も避妊用具なくて
出来てたらどうすんの?」
「蹴とばしてでも殴ってでもしてくれてれば
気が付いたかもしれないのに」
あたしのせい?
「もういい!」
演技・・・ホントはしてないけど
話してると腹が立ってくる。
酔っぱらいを面倒みてあげたのは
あたしよ!!!
酔っぱらうほど飲むな!って話よ。
もういいと言いながら帰る身支度をしながら
先に帰ってやろうと思うが
ここが問題。
追ってくれば作戦成功
そのまま追ってこなければ
連絡先も知らないのだから
これで会うこともなく
仕返しもできず終わってしまう。