し・か・え・し


「ちょい待って!ごめん記憶なくて・・・
自慢じゃないけどここまで記憶無くすほど
飲むことないし・・・手を出したとか
信じられなくて・・・ほんとごめん」


そう・・・記憶はなかったみたい
横へあたしが寝てても
全く気付かなかったんだから。


「もういい」


「もういいとか言うなよ
ごめん」


「もういいって!
健斗くんが言うように
最後まで抵抗しなかったあたしにも
責任あるからもういいよ 
もう会うこともないだろうし」


「また会おうよ」


「会う必要ないもん」


「連絡先教えてよ」


連絡先を聞いてくるとか
計画通りの展開になってるぞ。


「聞いてどうすんの?」


「また連絡するから」


「なんで?」


「なんでって・・・
このままじゃ申し訳ないし・・・
出来てたらどうするわけ?」


「あ・・・
別に責任を取って付き合ってもらおうとか
考えてないから安心して」


「そんなこと思ってないけど・・・
うーんでも教えて」


ヨシ!うまく【こと】が運んでる
恐ろしいくらいあたしの思い通り。


「じゃあ」


と番号を教えあった。


「鍵とここの支払いはお願いね
先に帰るね」


「あ・・・居酒屋はいくらだった?
払うわ」


「いいよもう
だけどあまり飲みすぎない方がいいよ
相手があたしじゃなかったら
訴えられるかもよ
婦女暴行罪でね」


「婦女暴行罪ね・・・
はいはい気をつけます」


あたしは先にホテルを出たが
必ず連絡が来るように
ベットへわざと
ピアスを落として帰ったのだった。






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