し・か・え・し
「じゃあ お試しで」
「何それ!お試しってウケる!」
急に笑い始めた。
「笑わないでよ・・・」
「ああごめん
お試しイコールいいよ!ってことで
よろしくな」
「待って・・・健斗くんは
まだ元カノ麻奈美さんのこと
忘れてないでしょ?」
「あいつの名前出さないでくれるかな?
もう何とも思ってないし
さっきから遠回しに拒否してない?」
「そんなことないよ
そんなことないけど
麻奈美さんのことが気になるから」
「もー!!!さっき言っただろ
合コンの時から気に入ってるって
早く言えばひとめぼれ?」
「あ・・・」
なんて答えたらいいのか
全くわからなくなった。
仕返しの計画がこんなに早く進んで
本当に戸惑うばかり。
あたしの頭の中では
なかなか好意を持ってくれないと
思ってたから。。。
考えてると神野くんの携帯が鳴った
『ちょいごめん』と場所を変え
話をしていた。
「明日?あ~いいよ
わかった 埋め合わせしろよ!」
携帯を切ると
「バイト変わってくれってさ」
と ためいきを付きながら言った。
バイトは焼肉屋さんでしているそうで
仲間が都合悪くなったからと
電話してきたらしい。
「今度食べにおいでよ
サービスするから」
「えっ?できるの?」
「できるできる!裏でこっそり
肉を追加してあげるよ」
「じゃあ行く!
どこ?」
場所は【源氏丸】というお店で
実は前から気になってたけど
なかなか入ることが出来なかったお店なのだ。