し・か・え・し
「やっぱ」とさっき置いたスプーンを取り
ケーキを一キレ乗せた。
するとそれをあたしの口へ持ってきて
「食べさせてあげる!」
と無理矢理口に押し込んだ。
「な!!!何するの!!!」
それでも笑いながら次々と運んでくる。
「せっかくの高級ケーキが
味わえないっ!」
口を開けるのをやめると
ケラケラと笑い始めた。
「何!!!」
「ほら!ここ」
健斗の手があたしの口元に・・・。
「オレが舐めて取ってやろうか?」
健斗の顔が近づいて
もう舌を出せばクリームを
取れるまでの距離。
「いいから!!!
自分で取りますっ!」
健斗から離れると
「何をテレてるの?」
「テレるとか・・・じゃなくて
あ~うーん・・・恥ずかしい」
「へっ???今さら?
そんなことが恥ずかしい?」
「そりゃーもちろん」
「ヤることヤってるのに?」
あ・・・忘れてた。。。
「改まると恥ずかしいの!
あのときは健斗自体に意識なかったし」
「そっかぁ~そーだよねぇ~
もったいないことしたよな~!
記憶ねーってもったいないよ
1回損した感じ」
「いやいや・・・損とか得とか
まぁ~これから徐々にね」
そうあたしは誤魔化した。
ケーキを食べて今日のところは
駅でさよならをした。