し・か・え・し


っていうか!
いつまで居るわけ?この彬って人。


帰らせてよ!
ラインしてやろうか?
こっそり健斗に。


【この人苦手なタイプだから
帰らせてよ】って。


携帯を取り出したその時
あたしの携帯が鳴った。


あ・・・啓次郎。


忘れてた。


この場で出る?
席を立ちたいんだけど
内側に座ってしまったから
彬さんに「ごめん」と
移動してもらうのも
言いにくい。


だから鳴ってても無視をしていた。


「出ていいよ」


「あ・・・大丈夫」


「大丈夫じゃないんじゃない?
ずっと鳴ってるから
大事な用なんじゃない?」


健斗に言われ「そうかな?」
と言うが・・・。


その前に この彬に席を立てって言ってよね!
気づかない人だね!


『はい』と小声で出た。


『あっ!やっと出た
あれ?今電話マズイ?』


『うん・・・ちょっと』


あたしが電話をしているのに
横で「何頼む?オレはねぇ」と
聞こえるように言った。


『そっか・・・もしかして
また合コン?』


『ううん違う』


『そっ!じゃあ帰るわ』


来てたんだ。


『ごめんね』


あたしがそう言うと
プチッと電話を切られた。


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