し・か・え・し


「大事な用だった?」


「ううん」


「オレの勘では相手は男?」


余計なことを言う彬。


「違いますっ」


「違ったかぁ~ 残念」


どーでもいいけど
この人さっき注文の品を考えてたよね?
居座る気かな?


「彬が奢ってくれるって!
高いもの頼んじゃおーぜ」


「いいよいいよ!美里ちゃんも
このお店で一番高いもの頼んでいいよ」


高いものなんて
奢ってもらう必要ないから
あたしはグラタンを頼んだ。


二人はワケわからない話で
盛り上がってるし!


あたしがここにいる意味ないじゃん!


帰りたいんですけど!


無言であたしはグラタンを食べてると
彬の手があたしの膝を触った。


うん?本人は一生懸命健斗くんと
話してるから当たっただけ?
と思っていた。


・・・が
その手はまたあたしの膝に。


わざとだとすぐにわかった。


「ち・ちょ・・・」
やめてよ!!!と叫びたいけど
言い出しにくくて テーブルの下で
手を振り払う。


「美里どうした?」


「あ・・・何でもない」


それからは触ってくることはなかったけど
食べる気にもならなかった。


早く時間すぎて!とばかり願っていた。


最低なのはそれだけでは無かったのだ。



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