し・か・え・し


「わっ!!!」


少し逃げるとその様子を見ながら
「それぐらいで逃げるなんて
美里って・・・可愛いな」
と呟いた。


「だって・・・
回りいっぱい人がいるのに
誰が見てるかわかんないじゃん」


ホントに可愛いと思ってるのか・・・?
わかんない。


この状況ってかなりヤバイよね
早く帰んないと。


「少し寒くなったから帰ろう」


「もういいの?満足した?」


「うん!大満足だよ」


「オレとしてはまだ一緒に居たいんだけど」


「明日ね 早いんだ
だからごめんね」


全然早くないけど
帰る理由にそう言っただけ。


帰る間の会話は
広島の話。


聞きながらそうそう!
そこのラーメン美味しいよね
お好み焼きも旨いとか
思い出しながら心で頷いた。


「美里を宮島に連れてってやりたいんだ」


そこは・・・勘弁して。。。


あたし
中学の遠足でお弁当を食べてると
鹿に襲われて弁当を食べられて
泣いた思い出がある。


「食べ歩きしたいし
あっ!でも鹿が居るから美里大丈夫かな?
中学の時襲われた子が居たんだ」


それ・・・あたし。。。


「襲われるなら行かない!」


「それくらい守ってやるさ!」


・・・そう・・・?


「楽しみにしてろよ
と言いながらオレもめっちゃ楽しみ!」


そろそろ言ってもいいかもしれない
次会ったときにもう暴露しよう!
そう思った。





「今日はありがと」
健斗の帰りを見届け
あたしはアパートへ向かった。









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