し・か・え・し


「あ・・・」


入り口に啓次郎が立っていた。


「着信拒否か?
ラインも無視か?」


「えっ?」


「ストーカーか?ってくらい
掛けてしまったわ」


急いで携帯を確認すると
マナーモードにしていた。


啓次郎からの着信10回
ライン【おーい!】【どこにいる?】
【返事しろ】・・・と6件


「ごめーん
うん?急用?」


「ま・・・別に大したことじゃないけど
ここで待ってたら会えるかと思ったから
待ってた」


「わっ!寒いのにごめん」


「さぁ~暖まろう!
あたためてもーらおっと!」


あたしの両肩に手を置いて汽車ポッポのように
あたしを押して中へと入った。


いつも以上に陽気な啓次郎
きっと良いことがあったんだと思った。


「どんな良いことがあったの?」


「わかる?」


「わかるよぉー!
何があったの?」


「就職試験受けたって言ったじゃん!
見事合格しました」


「わっ!!!よかったねぇ
お祝いしなきゃ!
で?どこで働くの??」


「内緒」


「はぁ?内緒?最悪!
お祝いなんかしない!」


「もう少し待ってよ
必ず話すから」


「ふーん そう言ってあたしが
ここから居なくなるまで
言わないつもりでしょ!」


「まぁ もうちょいね
だからお祝いしよう!
ってももう遅いし・・・
さくらはこんな時間まで
遊んでるんだからな~」


もう12時過ぎてる・・・。
























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