し・か・え・し



いつしか啓次郎が
ここへ来るのを楽しみなってる。


あたしが啓次郎の家に行く回数よりも
はるかに啓次郎が来る方が多いが・・・。


ヤバイなぁ~
好きかもしれない。


別れがまもなくなのに
今ごろになって・・・。


「お待たせー!」


ハンバーグを盛り付けて差し出すと
「ちぇっ!」と啓次郎が言った。


「焦がしてませんけど?
形も言いと思いますけど?
何が不満なんですかぁ?」


さぁ!答えてよ!っ的な口調で言い寄った。


「ハンバーグハートじゃねーのかよ」


そんなこと言われるとは思ってもなくて
笑ってしまった。


「ハート???
ハートは・・・
恋人に作るものでしょ
あたしたち・・・その
あれなのに・・・」


言ってるるあたしは悲しくなりそう。


「あれって何?」


「わかってるくせに!」


「あ・・・そうですかっ!」


すると携帯を取りだし
写真を撮った。


「ツイッターに載せようかな?
セフレが就職祝いにハンバーグを
作ってくれましたっ!って」


セフレか・・・
その3文字言いたくなかったから
濁したのに・・・。


「もぉ~やめてよね」


ツイッター?
啓次郎のツイッターは鍵を掛けてるから
見たことがない。


「啓次郎ってさ鍵を掛けてるじゃん!
あたしに教えてよ」


「ダメぇ~!」


「ケチッ!
このケーキはあたし一人で食べるから」


「フフフ 食べ物には釣られないよ
また今度な」


また今度な・・・
よくこの言葉で誤魔化される。


「もういいわ!
せっかくのお祝いだから
細かいこと言わない」



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