し・か・え・し



健斗のアパートに着くと
彬もついて降りてきて
一緒にピンポンを鳴らす。


・・・が出てこない。


「あれ?あいつまだ帰ってないの?」


「うん?帰ってないって?」


「大学に提出物持って行くから
オレが健斗のアパートに美里ちゃんを
連れて来てくれたら時間短縮できて助かると
言ってたんだよ」


「ああそうなん
じゃ・・・ここで待つしかないね
彬さんいいよ帰って
あたし一人で待つから」


「そんな・・・女の子一人でこんなところに居たら
この辺 治安悪いからそれこそ何かあったら
健斗に怒られるよ」


「何もないよ」


「わかんないよ~
あっ!!!そうだ!あいつんちの合鍵
オレもってるわ
中で待ってようぜ」


「そんな勝手なことして大丈夫?」


「いつものことさ・・・
だから合鍵持ってんのに」


鞄から鍵を取りだし
ドアを開けた。


中へ入るといきなり鍵をかけた彬


え・・・・?


「お前って相当の間抜けだよな
男を騙そうかと言うヤツが
スキが甘いんじゃないのか?」


「男を騙す?」


・・・健斗のこと?


バレてる。


「どういうこと?」


それでも白を切るあたし。




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