し・か・え・し


「雪子がさ あんたが男の人と歩いてたって
言ってた」


「あ~あれね」


「やっぱり?」


「あれは彼氏でも何でもない人
友達なんだよ」


「友達???」


「うん 会いたいときに会うだけ」


「それって?身体の関係?」


「いまさら彼氏作っても別れるだけだしね」


「うそ・・・マジで?」


「みんなには内緒よ」


「言わないけどさ~
その人ってどんな人?」


「一緒にいて和むと言うか
すごく気が楽と言うか・・・」


「それってさ
好きになったんじゃないの?」


「例え好きになったとしても
もうね どーしようもないってこと
だからこのまま最後の日まで
好きを封印するの」


「ハハハッ 自爆してんの!
認めてるハハハ」


「あ・・・」


「その人に言う?今日のこと」


「言わないつもり
まぁねっ!そんな関係がいるから
1回や2回へんな男としたって
平気よ平気へへへ・・・へへへ」


「こら!強がらないで!
さっきまで泣いてたくせに」


強がってないと生きていけないもん。


「だって・・・怖かったんだもん
あの恐怖は忘れられない
あ~また泣けてくる!
桃華が強がるなとか言うから~」


「えっ?あたしのせい?」


「強がるなとか言って怒るから」


「もぉ~ハイハイ
今日のことは忘れよう」


忘れたい・・・。






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