し・か・え・し



あたしの上に乗り
「裸になる方がお互いの肌で
暖かくなるから」
と服を脱がそうとした。


「やめて!!!」


昨日の彬の顔が思い浮かび
思わず出てしまった言葉。


はじめて拒否をするような言葉に
啓次郎は「えっ???」と
驚いた顔をした。


「あ・・・ごめん」
と謝ると
「来なければよかった・・・」
あたしに背を向けてしまった。


しばらくすると
「あ~っ!!!落ち着かねー
帰って寝るわ」
と急に立ち上がり布団から出てしまった。


あたしと出来ないから?


啓次郎が来る=したいとき・・・。
拒否するとか考えられないもんね。


「ごめん!啓次郎
していいよ しよう」


手を取ったがその手は振り払われた。


「それ目当てで来てる訳じゃないから」


啓次郎は帰っていってしまった。


啓次郎とも
もう終わりかもしれない。


これっきり来ないかもしれない・・・。


早かれ遅かれこうなるのはわかってること
だけどあたしが帰るまでは一緒に居たかったな。





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