し・か・え・し


啓次郎とはあれ以来連絡をしていない。


ガチャッと電話を切られるかもしれないと思うと
掛ける勇気もない。


学校が終わり今日は何もないから
早く家に帰ることにした。


もうすぐアパートと言うところまで帰ると
アパートのそばに一台の車が止まっている。


あれは・・・健斗の車。


あたしを待ち伏せしているのかもしれない。


そこを通らないとアパートには帰れない
あたしは見つからないように
後ずさりして桃華に電話をかけた。


「暇?」


「うん暇だよ」


「ちょうどよかったぁ~
今から行っていい?そして泊まらせて」


「いいけど?」


「じゃあ行くね」


自分のアパートへ帰らず桃華の家へと向かったのだ。


「どうした?セフレくんと喧嘩した?」


「ちょっとその呼び方はないよねぇ~
あの人とは終わったかもしれない」


「はやっ!
この前良い感じみたいなこと言ってたのに」


「良い感じじゃないよ 
あたしが思ってるだけ!
好きかもって言っただけよ」


「何かあった?」


「・・・求められて・・・
身体が勝手に拒否しちゃって・・・
襲われた次の日だったから
あの顔が・・・あいつの顔が
浮かんできて・・・だったら・・・」


「できないからって終わったの?」


「そうかな?と思って
しようって言ったらそれ目的で
来てるわけじゃないって怒って帰って
それ以来何も連絡ないし
まぁ 早かれ遅かれこうなるんだったから
仕方ないよね」


「それなら今日来たのは別件?」


「うん
待ち伏せされてる・・・」


「はぁ~?」











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