恋愛革命-あたし×アイドル-
「…なんでさっき“見捨てないでくれ”って言ったんですか」

「…アイツ、実菜が死ぬ時に“あんたなんかどうでもよかったんだよ”って、言われたんだ」

「でも実菜さんはしゃべれなかったんじゃ…?」
「手紙でだよ。死ぬ時翔に渡したんだ」









―翔へ

この手紙を翔が読んでいる頃、私は生きてるのかな。
きっともうこの世にはいないと思う。
自分がもう長くはないってわかるから。

私、もういなくなるから、事実を伝えようと思う。

翔、私の病気がわかる前、「好きだ。付き合ってくれ」って、言ってくれたよね。
私は「いいよ」って言ったの、覚えてる?
でも本当は私、翔じゃない違う人がすきだったの。

…あんたなんかどうでもよかった。
すき?
…むしろ嫌い。大嫌い。


でも翔は有名人だし、付き合ってることをみんなに知れ渡ったら自分の知名度があがるって思って。

名前を覚えてもらえる、そう思ったから付き合ったんだよ。

翔を、利用してたの。

…ごめんね、ごめんね。

翔はどんな時も支えてくれてたのに。
力になってくれてたのに。

最後になるけど、
今までありがとう。
私、もっと生きて、生きて、生きて、いろんなこと経験したかった。
歌、いっぱい歌いたかったし、
たくさんカラオケいったり、
たくさん映画みたり、
たくさんプリクラとったり、
友達といーっぱい遊んだり…。

結局みんな叶わない夢になっちゃったけど、
私、幸せ感じてたよ。
翔が、いてくれてたから。

どうでもいいなんて言ってごめんね。
大好きだよ。

私はもういないだろうけど、
幸せになってください。
いっぱい、いろんなこと経験していってください。
私の分まで。

―実菜より

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