恋愛革命-あたし×アイドル-
秋子のことは置いといて、なんなのさっきの?

あたし“美南”なんて今さっき初めて呼ばれましたけど!?

まだ心臓バクバク言ってんじゃん…!!



「い、いいから静かに!美南ちゃんは席ついて。転入生紹介するから」

担任がそう言って、クラスは静まった。

…秋子の泣き声が超ひびくんだけど。
早くしずまれよ豚。


「今日から2年A組に仲間入りする、松山翔くんです。みんなはもう知ってると思うけど、仲良くしてあげてね。じゃあ、松山くん自己紹介して?」

担任が軽く紹介をする。
ていうか紹介の仕方おかしくない?

ま、いいや。

「松山翔です。あ、さっき言ったことは嘘です!藤原さんにはクラスまで連れてきてもらっただけなんだ。おどかしちゃってゴメンね?じゃ、これからよろしく~」

あんだけ期待させておいて「嘘です」の一言で片づけちゃうんだ…。

それを聞き、秋子もやっと泣きやんだ。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

>>昼休み<<

「翔くん飲み物いるぅ?」
「翔くんお菓子あげるよっ」
「あっ、翔くんブレザーに汚れついてる!とってあげるねぇっ」
「ちょっと抜けがけしないでよ!」
「あたしがとってあげるぅ」
「あたしよ!」
「違うよ、あたしがとるの!」
『みんなケンカはダメだよ、気遣いありがとう』

「「「……はあい♥」」」

…っ…るせー。
翔の周りには超人だかりができている。
これじゃ話しかけるどころか近づくことすらできない。

「美南、松山翔いるのに冷静だね?この前はMステMステ騒いでたのに」

隣にいた莢花が言った。
え、そういう莢花も冷静じゃね?

「…うん、まぁ、ねぇ…」
「えー何々?気になるじゃん」
「やっぱ莢花には言うわ。あのね…」





「…叔母さんの再婚相手の子供が松山翔?すごいじゃーん、よかったね~」


話をしても莢花は冷静。

…ここまでくるとイライラするじゃん!


「なんでそんな冷静なのぉ!?てか翔いるのにテンションあがってないじゃん!」

あたしが聞くと、

「え~ウチはRYO一筋だもん♪」

莢花はそう答えた。

……RYO?





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