わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜




もう一度、数字をクリックする。



すると、今度は『5』ではなく、『屋上』に表示が変わった。



予想していた表示でなくなったことに、眉をひそめる。




「屋上って…この学校の?」




青い点がぽつんと1つだけ表示されている画面と、屋上という文字。



屋上に行けば…この青い点がなんなのか、わかるのかな。



カチカチとまた何度か文字を押してみたけれど、『1』から『4』の数字と、『屋上』という文字のページしかないようだった。




ってことはこれ、数字は階数…?



ちょうど、この学校は4階建てだ。



じゃあこれは、教室や廊下の枠が表示されていないけど、地図みたいなものなのかもしれない。





……とりあえず、点の意味を知るためにも屋上に行ったほうが良いよね。





ただ、1つ問題があるとすれば、屋上に行くまでの道のりだ。



屋上へ続く階段は正面玄関に近い方…つまり、さっき〈あの子〉が頭をぶつけていた美術室にすごく近い場所にある。



〈あの子〉がもうあそこにいない確信なんてない。




…どうしよう。



わかってる。ここについての情報は出来るだけ集めた方がいい。



この表示が本当に階数を表しているなら他の階にだって青い点はあるけれど、何しろ枠組みが書かれていないから方向も場所もわからない。


隠されでもしていたらお手上げだ。



その点、屋上は狭いし、何かを隠せる場所もないから、方向がわからなくても何かあれば屋上に入りさえすればすぐにわかるだろう。



だから…屋上に行った方が良いってことは、わかってる。




けど、またアレと遭遇したら…。




今度は、脅かされるだけじゃ済まないかもしれない。




芽衣さんたちも、〈あの子〉に捕まったら死ぬって言ってた。



正秀くんも、…本当に亡くなってた。




怖い…。


怖い………!




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