わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜




開けっ放しのドアから、ひょこっと顔を出す。



来た時と同じように静まり返った廊下は、コンピュータ室とさして変わらない雰囲気だった。



少しだけホッとして、目の前の階段を上る。




…結局また、すぐに階を移動することになってしまった。



私はなんでこうも一階ずつ潰していくことができないんだろう。


そうは頭の片隅で思いつつも、直接的な情報が得られるかもしれないという期待感は私の足を進ませる。




そして、三階と四階の間の踊り場まできて、一度足を止める。



…この先だ。


ここを登れば、すぐ左に美術室がある。



バンバンというあの耳をつんざく気味の悪い音が、今にも聞こえてきそうな気がした。



そろり、そろり、一段ずつ静かに階段を上る。



三段目。四段目。



上るにつれ、階段上の壁の向こうから、美術室の姿があらわになる。



ドクン、ドクンと心臓が脈打った。




五段目。六段目。




いない?


それとも、まだいるの?



…階段も、中央を超えた。













瞬間。










ゆらり







美術室側の壁の向こうから、目の前に人影が現れた。



< 110 / 119 >

この作品をシェア

pagetop