わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜
ぽっかりと空いた2つの穴が、硬直した私を捉える。
目が、合っているような感覚がした。
バクバクと心臓だけが動いて、頭がおかしくなりそうになる。
なんなの。
なんなの!?
〈あの子〉は私の存在を確信しているのかまだ違和感を感じただけなのか、いつもの笑みすら消してただこちらを振り返っている。
よろついて柵にぶつかっても意にも介さなかったのに、スカートに少し触れたくらいで振り返らないでよ!
ニヤニヤしていない〈あの子〉は逆に不気味で、じわじわと精神が削られていく。
確認のために手を伸ばされたりしたら、もうおしまいだ。
今更動くこともできず、ただじっと血まみれの女の子と見つめ合う。
心臓の音さえ聞こえてしまいそうで、今だけは心臓も止まっていてくれと願わずにはいられなかった。
どうして動かないの?
私を見つけているならさっさと動けばいい。
見つけていないなら、早くどっかいってよ。
前に一度聞いた、目を要求する声すら発さない彼女は、小さな背で私を見上げている。
その目元の闇に、魂でも吸い込まれているんじゃないかと不安になる。