わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜
「はい、席につけ~。
ホームルーム始めるぞ」
そんなこんなしてるうちに、担任の先生が教室に入ってくる。
えっ、もうそんな時間だっけ?
今日、来るの遅かったかなぁ…。
片付けていない荷物を片手に、席につく。
立ち歩いていた人が全員席についたのを確認すると、先生はクイッとメガネを指で押し上げてから話し始める。
よくやる、先生の癖なんだって。
ちなみに結菜ちゃん情報。
「さて、何故か既に知ってるやつもいるようだが…今日は転校生を紹介する」
その声に、教室が一斉に色めき立つ。
みんな興味津々なようで、そこらかしこから期待の声が聞こえて来た。
「黒田、入ってこい」
先生の声に答えるように、開きっぱなしだったドアの向こうに人影が現れた。
…………『黒田』?
先程話題にした『黒田狛』くんと同じ名字だったからか、思わず私はドアから入ってきた人物を見つめた。
スラッとした背の高い男の子。
整った顔は、無表情だった。
なんか…かっこいい人…。
「わ!イケメンじゃん!」
「彼女いるのかな〜」
そう思ったのは私だけじゃないようで、近くの席の女の子たちも一目見るなりそんなことを囁きあっている。