わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜




「黒田って…黒田狛、だよな?」



悠人さんが、確認するように問う。


先程までの怖い雰囲気はどこにもなく、真剣な表情をしていた。



「はい。来て…くれますか?」



「当たり前だ!早くいくぞ!」



悠人さんが一足先に歩き出す。



その目はやっぱり何かを決心した時のように揺らぎがなくて。



なんだか友達に会いに行くと言うより…その先に何があるのかは知らないけど、それを受ける覚悟を決めているようにも見えた。



「……ねぇ、『あっちの世界』への行き方は知ってるの?」



「………?『あっちの世界』?
なんの話ですか?」



朱里さんの言葉に、クエスチョンマークが浮かぶ。



あっちって…どっち?



朱里さんは一瞬考えるように目をそらしてから、口を開いた。



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