わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜
「あぁいえ…なんでもないわ。
早く行きましょう」
朱里さんもすぐに歩き出す。
なんだか…わからないことがどんどん増えていくなぁ。
「あなたの名前、聞いても良いかな?」
「あっ、ごめんなさい!忘れてました。
私、篠咲舞って言います」
「舞ちゃんね。
じゃあ狛くんのところに案内してくれる?」
「はい!」
芽衣さんは、私に向けた笑顔の裏に何かの不安を隠しているように見えたけれど、それでもしっかりとした足取りで先に進んだ2人を追って歩き出した。
『7人のうち、3人が帰ってきたんだって―――』
ふと、今朝の陽くんの言葉を思い出す。
何故か1つ学年が変わって帰ってきた黒田くん。
デッドカースから帰ってきた3人。
3人から証言された、8人目の行方不明者。
そして、黒田くんに呼べと言われた人の人数……悠人さん、朱里さん、芽衣さんで、3人。
妙に…繋がりが見えてきそうな偶然だ。
まさかね、なんてかぶりを振っても、思考を拭いきれないのは。
なにか、本能的に感じたことがあるからなのかな?
この先、何か重大なものを知ってしまうような、そんな気がしてならない。
少しだけ覚悟を決めながら、私は3人の背中に向けて足を踏み出した。