わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜
あぁ…なんで?
なんで私、こんな目にあってるの?
悲しみか恐怖か、完全にパニックになった私の中に浮かんだイマイチわからない感情と共に、目から涙が溢れる。
「!」
涙が流れた瞬間…私を拘束している人が驚いたように身体を揺らす。
それから、ため息をついたのが聞こえた。
「……泣かせるつもりはなかったんだけどなぁ。
悪い、俺だよ」
どこか聞き覚えのある声と共に、拘束が緩む。
急いで振り向くと、目の前の男の子…黒田くんは、ふっと困ったように笑った。
「えっ…。く、黒田、くん…!?」
「ああ」
「~~っ!?」
認識して、初めて気付く。
距離…近っ!!?
慌てて飛び退くと、黒田くんは容易く私を解放した。
ってことは…〈あの子〉じゃないんだよね?
バクバクと心臓は鳴りっぱなしだけど、少しだけ緊張がほどける。
そんな私を、黒田くんはマジマジと眺めてくる。
「ふーん…。意外と違和感ないじゃん」
「はいっ?
な、なに?なんのことですか……!?」
違和感がない?
いやいやいや、今いるところは違和感ありまくりですけど!?
暗いにしてもありえないくらい暗いし、いきなり知らない学校にいるし、どこをどう見て違和感がないって!?
つい声が大きくなってしまう。
「あー、なんでもない。こっちの話。
それより君、落ち着けって。
そんなに騒いでると〈あの子〉来るよ」
「!!」
わ、忘れてた!
ピシッと固まる私と、あぐらをかいてその場に座る黒田くん。
混乱は増す一方だ。