わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜
とりあえず、黒田くんの前にペタンと正座で座る。
真っ暗な廊下で…なんと異様な光景だろう。
まさしく違和感しかないよ。
なんだか落ち着かなくて、前のめりになって口を開く。
「あの…!ここ、なんなんですか?
死ぬとか死なないとか…意味わかんないんですけど…!」
「ん?」
若干自分でもわかるくらいに食い気味に聞いた私に、黒田くんは考える素振りを見せた。
だけど、次の瞬間にはケロッとした顔で肩をすくめて見せる。
「…それはまあ、時が来たらわかるだろ。
それより敬語やめてくんない?なんか敬語使われると気持ち悪くてさ」
…………………。
………それよりって、今それどうでも良くない…?
敬語とか、そんなの気にしてる場合じゃないよ……!?
時が来たらとか…黒田くんの考えてることが全くわからない。
「あ…!
じゃあ、さっきの悲鳴!あれはなに?」
「何って。悲鳴じゃん?」
「……………」
なにも言えない。
もう、放心しちゃうくらい何も。
そんな私を見て、少し面白そうに黒田くんが続ける。
「冗談、冗談だって。そんな変な顔するなよ。
まぁ、大方〈あの子〉に襲われたんだろうなぁ。ちょうど保健室あたりだったし…。
あの3人が向かったんなら多分大丈夫なんじゃねーか?
…いや、その前に1人くらいは死ぬかも」
その軽い口調の言葉に、何故か私は何も思わなかった。
……………?
人の死をそんなに軽く言うなんて…!って、思うべきところなはずだよね。
なんで私、黙って聞いてるんだろう?
……………あー、あれかな。
ビックリしすぎて声も出ないってやつ。
うん。
多分私、今思考回路繋がってない。