わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜




「私も、まだわからないことが多くて…。
まず、何があったか教えてくれる?」


「えぇと…私たち、気付いたら生徒玄関前で倒れてて…真っ暗だし、訳わかんなくって…。とりあえずここから出ようと思ったら、校内放送が流れて」


「校内放送?」


「うん…。知らない、女の子の声だった。
デッドカースの世界へようこそ、とか、〈あの子〉?とか、なんかよくわからない話されて…そう、捕まったら殺されるとかなんとか言ってたから怖くなって、外に出ようとしたんだけど開かなかったの!」


「〈あの子〉はどんな子だかわかる?」


「確か…目が悪くて耳が良い?って言ってたような…」


「うん。じゃあ〈この子〉は知ってる?」


「そういえばなんか言ってた気がするけど…なんだったっけ…」


「…人に化けて〈あの子〉を呼ぶ?」


「あ!そう!それ!」


「そっか」



一応、一通りの説明はされてるみたいだ。


それでも、こんな異常事態を一度説明されたくらいで完璧に飲み込める人なんてそうそういないだろうし。


早くみんなと合流するに越したことはないよね。




…それから。


結菜ちゃんに少しだけ背を向けて、結菜ちゃんには見えないように黒田くんに貰った石を確認する。


…何も変化はない。


ってことは、結菜ちゃんは本物ってことだよね?



ホッと胸をなでおろす。



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