わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜
「…ごめん。大丈夫。…今、行くから」
しばらくしてだいぶ気持ちも落ち着いたのか、結菜ちゃんが目をこすりながら立ち上がった。
…よかった…。
〈あの子〉が来る前に、なんとか持ち直してくれたみたいだ。
もし〈あの子〉が来たら、わざと音を出して気を引いたりってことも考えたけど。
やっぱり怖いし、いざそうなったら出来るかわからないからね…。
「結菜ちゃん、無理しないでね…?
無理そうだったら、ちゃんと休憩しよう?」
「うん…ありがと、舞。
でも、大丈夫…大丈夫だから…」
結菜ちゃん…。
どう見ても無理してるようにしか見えないよ…。
でも、長くここに立ち止まっているわけにはいかないのも本当だし。
心配になりつつも、ゆっくりと移動を始める。
「舞ちゃん。私は結菜の様子を見ながら行くから、先頭は任せていいかなぁ?」
「うん。大丈夫!任せて」
「ありがとう」
ニコッと微笑みかけてきた愛菜ちゃんを見て、拳を握りしめる。
私がしっかりしなくちゃ。
今自由に動けるのは私だけだ。
怖がってる暇なんてない!
まずはこのまま2階を探索しちゃおう。
耳を澄ませてみるけれど、特に何も聞こえない。
どこかで襲われているということもなさそうだ。