わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜



血だまりの中に入って通り過ぎるのも躊躇われて、血だまりとは逆方向の、特別教室のある廊下に出る。



ここにあるのは…技術室とかコンピュータ室とかか。



技術室はまだしも、コンピュータ室なんかはモニターに何か写りそうで嫌だ。



結菜ちゃんと愛菜ちゃんがちゃんと着いてきているのを確認してから、近くにあった第二技術室を開けてみる。



…何もない、か。



中をぐるりと一周だけ見回して、すぐに隣の教室に移ろうと廊下に出る。






……………ん?今、何か…?


隣の第一技術室に差し掛かったとき、チカッと視界の端で何かが光ったような気がして足を止める。



窓の向こう。ロの字型の校舎の、今いる廊下の向かい側の廊下を見ると、細長い光の柱が動いているのが見えた。



同じ階じゃない。1つ上の階だ。




あの光は…もしかして、懐中電灯?


だとしたら、朱里さんかもしれない!


たしか、懐中電灯を持ってきていたのは朱里さんだけだったはずだ。



懐中電灯の光は、そのままスッとどこかの教室に入って消えてしまった。



「2人とも!今、三階の向こう側に人がいた。行ってみよう!」


「わかった!私たちはゆっくり行くから、舞ちゃん先行って!」


「うん!」



指をさして場所を伝えてから、またあの階段に引き返して階段を上る。



この階段を使うと血だまりが見えてしまうけど。


愛菜ちゃんも付いてるし、きっと大丈夫だよね?



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