わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜




「……慎重に行動しましょう。
舞…だったわね。大丈夫よ、そんなに心配しなくても。
悠人だって一度はここをクリアしてるんだから。
それにあいつ、足は無駄に速いもの」


「そ…う、なんですか?」


「えぇ。だから大丈夫。…大丈夫よ」



何度もそう繰り返す朱里さんは、心なしか私じゃなくて、自分に言い聞かせているようにも見える。


…そうだ。


不安なのは私だけじゃない。



今は最悪の時を想像するよりも、他にできることを探すべきだ。


…しっかりしろ、舞!


パチン!と顔を叩いて気合いを入れ直す。



「私、この袋持っていきますね」



多分私よりも、ここに詳しいこの2人が身軽だった方が何かといいだろうから。



主にメトロノームのせいで重くなっている袋を抱えて、教室を出る準備をする。




「悠人がいった方向は?」


「教室を出て左、生徒玄関とは逆側の階段です。
二階から来たので、何もなかったら二階か三階にはいるはずです」


「何もなかったら…ね。
隠れるとしても音を立てずにっていうとその近くでしょうね」


「わかった。じゃあ、その周辺の教室を中心に覗いて行こうか」


「はい」


「ええ」



3人の意見がまとまったところで、芽衣さんを先頭に教室から出る。



芽衣さん、人をまとめるのが上手いなぁ。


芽衣さんだったら、結菜ちゃんも元気付けられるかもしれない。



だから…どうか何もなく、みんなと合流出来ますように…!



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