わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜
そっと教室を出て、廊下を少し進む。
すぐに渡り廊下に出るけど、人もいなければ何か痕跡があるわけでもない。
…本当に何もなかったら、ここら辺にいるはずなんだけど。
嫌な予感を感じつつ、ゆっくりと階段を降りた。
…やっぱり、誰もいない。
〈あの子〉に襲われたのかはわからないけど、何かがあったことだけは間違いなさそうだ。
無意識に唇を噛む。
「…教室、覗いていくよ」
ボソッと小さな声を出した芽衣さんに、私と朱里さんはこくりと頷く。
それを見てから芽衣さんは階段に一番近かった教室に近付いて、そっと扉に手をかけた。
第2技術室。
さっき私が、結菜ちゃんと愛菜ちゃんと一緒に覗いた唯一の場所だ。
………あれ?
ちょっと、待って。
『扉に手をかけた』?
…私、覗いた教室の扉は開けっぱなしにしてきたよね?
「っ、芽衣さんそこはっっ……!!!」
マズイ!!と思って声を出した時にはもう遅くて。
芽衣さんが開けた扉の先にいた小さな血まみれの女の子が、ニタリと笑ったのがはっきりと見えてしまった。