わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜
…本当に、そうなのかな。
確かに3人を呼びに行った時、黒田くんの名前を出した瞬間に反応が変わったけど。
でも、その反応は…何か手を組んで企んでいるような反応ではなかった気がする。
それに、あの3人には影がある。
私みたいに…ここで友達を亡くしたのかなって、思うような。
少なくとも私には…あの3人が悪い人だなんて、思えないよ。
…黒田くんも。
私たちをここに呼んだっていう紛れも無い事実があるんだから、明らかにデッドカースの主催側なんだろう。それはわかる。
…それでも、どうしても悪い人には思えなかった。
「…えぇと…その、疑いすぎは良くないと思うな。
私はその3人にここのことを教えてもらったから、こうやって冷静でいられるの。
多分あの3人がいなかったら、もっとパニックになってたよ」
「信用させて利用するつもりなんだろ、どうせ」
陽くんは私の言葉をそう一蹴して、私の目も見ずに腕組みをしたままハッと嘲笑する。
明らかに、3人に対して悪意がある物言いと態度。
…なにそれ?
いくら怪しくても、さすがに失礼でしょ?
あの3人は私にも親切にしてくれた。
結菜ちゃんと愛菜ちゃんを見に行ってってお願いも聞いてくれたし、私の幻聴かもしれないラジオの音を信じてくれた。
何も知らないのになんでそんなことが言えるの?
ついムッとして、言い返してしまう。