わたしはみんなに殺された2〜贖罪の時〜




「なんでそんなこと言うの?
さっきだって悠人さんが声出して〈あの子〉を引きつけてくれたんだよ?
会ったこともないのに、そうやって決めつけるのは酷いよ」


「はあ?主催側なら引きつけたフリくらいできるだろ?
そんなことも考え付かないのかよ」


「………なにそれ。
ねえ、本当に陽くんなの?陽くんはそんな悪口言う人じゃないよ」


「『本当の陽くん』ってなんなんだよ、意味わかんねえ。
お前が俺の何を知ってるって言うんだよ」


「…っ、そんなの陽くんだってそうじゃん!
芽衣さんたちのこと、何にも知らないくせに!
なんでそんな酷いこと言うの!?」


「めんどくせぇな!信用できねえって言ってんだろ!?
黒田が関わってるんだぞ!あいつは俺たちを殺しにきたに決まってる!復讐しに来たんだよ!!」


「………復、讐?」



なに、復讐って。


ハッとして黙り込んだ陽くんを前に、腹が立っているのも忘れて立ち尽くす。



復讐。


酷いことをされた人に、やり返すことだよね。



黒田くんが…それをしに来た?


陽くんたちに?



じゃあ陽くんたちは………。



「何か、やったの?」


「…………」


「ねえ、答えてよ。
黒田くんに何したの?何があったの!?」



ここに来る前。


黒田くんの名前を出した時に、陽くんたちに感じた違和感。


結菜ちゃんも愛菜ちゃんも、硬い表情してたよね。



それは…これが関係してるの?



胸の中にもやもやした嫌なものが充満する。



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